15歳になれば遺言が書ける
遺言をめぐる紛争の一つとして
遺言能力 があったのか?
という問題があります。
高齢化が進む近年では、
認知症で遺言がどういうものなのか理解し判断する能力が無いにもかかわらず、周囲の者が無理矢理(無効な)遺言を書かせる、そんな高齢者をめぐる遺言能力ばかり注目されがちです。
金持ち幼児に、母親が無理矢理自分に有利な遺言書を書かせて問題となった、という話はあまり問題になりません。
それは、民法961条が
「十五歳に達した者は、遺言をすることができる。」
と定めて、それより幼い者はまだ遺言は作成できない、としているからです。
逆にみれば、
15歳になると(意味内容が理解判断できれば)遺言が書けるということです。
このことは、一般庶民にはあまり注目されていません。
しかし、15歳になったら遺言について検討すべきケースもあります。
それは、親が離婚している場合です。
幼い頃に両親が離婚し、養育費も支払わず行方すらもわからない父親がいる場合を想定してみましょう。
万一、子が死亡した場合、その相続人は、母親だけではなく、父親も含まれます。
15歳の誕生日早々に遺言を書けとはいいませんが、
遺言は、若者だって作成しておくべき場合があることを知っておいてほしいのです。