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テント倉庫の定義

この記事は未完成です(随時変更あり)

 

最近増えている(らしい)テント倉庫
「テント倉庫」という言葉は、とーっても難しい言葉だと思います。
例えば、
「テント倉庫」は登記できますか?という質問

 

テント倉庫が登記できるかどうか問題は、「土地家屋調査士」さんのお仕事
正解は、土地家屋調査士さんに聞いてくださいねー

 

とはいえ、
「建築確認が必要なテント倉庫建築物のことですけどー」と言われても、その質問に答えることはできないはず

 

では、
実際に現地で現物を見ないと?まあ、これは半分正解?

 

現時点では、「テント倉庫とは」「テント倉庫は登記できるか」「テント倉庫、固定資産税」とネット検索してみて、それを説明する業者のサイトで、質問者の望む答えがヒットしたとしても実際は解決しない、という面白い話題。興味津々~

 

「テント倉庫」は、固定資産税上「家屋」ですか?「償却資産」ですか?不動産登記法上の「建物」ですか?
っていう前に、その話題の対象の「テント倉庫」の定義・実体をガッツリ固定しないと、プロは痛い目を見ることになるでしょう。

 

ネット上でも「テント倉庫」「建築物」「建物」「家屋」「固定資産税」などの言葉があいまいに使われているところが、混乱を呼んでいます。あと、主体が事業者なのかも。

 

話題に入る前に、使われる言葉の定義を確定する、って重要です。

 

ちなみに、私が話題にしている「テント倉庫」は、世の中いろーんな”テント倉庫”がある中で、問題提起の便宜上、5年以上の使用を想定するもので
「主要骨組材にロープ又は支線などを補助材としたものに、繊維系の膜材を用いて構成された物品等の保管のための施設」の中でも「鉄骨造の骨組に腹膜材等を張り、当該骨組及び当該膜材料を一体化し(途中省略)構造耐力上主要な部分である屋根版及び壁があるもの」、建築基準法上の「建築物」(「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。))として取り扱うべき範囲の「腹膜造」の「倉庫」でのお話です。軽微なテント工作物以外は規模問わず、ジャバラテントは伸縮式も含み、キャスターテントは固定装置を伴なうものなどなど・・・あー厳密に言っているとキリがないですね。結局、あなたの言っているテントを具体的に示してください、それからお話しましょうね、と言われちゃいますね・・・

 

でもね・・.本当は、「登記できますか?」ではなくて、「登記する必要がありますか?」の方がポイントなのかも。

テント倉庫と固定資産税

固定資産税は、「土地」・「家屋」・「償却資産」に対して課税される市税。三種類。
ここで、「家屋」扱いされるものは「償却資産」ではないし、「償却資産」扱いされるものは「家屋」ではない。
そして、ここで「家屋」扱いされないものは、不動産登記上の「建物」としての登記はできないであろう、はずです。
なぜならば、
市の固定資産(家屋)評価事務取扱要領で、「家屋とは、住家、店舗、工場(発電所及び変電所を含む)、倉庫その他の建物をいい、(地方税法第341条第3号)。固定資産税における課税客体である「家屋」の意義は、不動産登記法における「建物」とその意義を同じくするものであり、家屋認定の基準は原則として不動産登記規則第111条の規定に準じるもの」としているからです。

 

ここで「原則として」とあるから「例外は・・」という問題につながって、テント倉庫が登記されてるんですけど、固定資産は償却資産扱いになってまーす、とかあるんでしょうか??わかりません。

 

一般的には
固定資産税の「家屋」 = 不動産登記法「建物」

 

 

では、
テント倉庫に固定資産税がかかりますか?かかります、と答えるのは半分正解のような、そうでないような

 

そもそも、あなたの言っている「テント倉庫」をもっと具体的に・・・
次に、「固定資産税」は、土地・家屋としての固定資産税?償却資産としての固定資産税?
あなたは事業者?そのテント倉庫って事業用?

 

例えば、とある事業者が、家屋として登記しようと思えば登記できるレベルのテント倉庫を登記せず、「償却資産」として固定資産税を払っていてた場合、私個人が自宅用のお家建てるためにそこの土地を購入して、そのテント倉庫は趣味で使うからそのままにしておいてーとなった場合、私個人のテント倉庫の固定資産税はどうなるんでしょうか?
私が家を建築後、登記もせずにほっといたら、市の固定資産税課が来て、調査して、新築は「家屋」としての固定資産税がかかるとして、敷地内のテント倉庫ってどうなりますかねー?私にとって、そのテント倉庫は事業用ではないんですよ。
新築家屋の附属建物として認定されちゃったり?

 

そもそも、「テント倉庫」が登記できるか問題の前に、うちのテント倉庫の固定資産税区分は、「家屋」ですか?「土地・家屋以外の償却資産」ですか?の問題にしたほうが、より現実的ですね。だって、これまでの倉庫・物置のレベルで、登記できる、そして表題登記の義務・・・だからって、未登記のままが現実
一方、固定資産税は、税収逃すことなく、現調で台帳に記載されるはず。
じゃあ、その未登記建物としてのテント倉庫は、固定資産税上、どの区分になっているんですかねえ??
「家屋とみなさない倉庫」ですか?「家屋とみなす倉庫」ですか?
たぶん、市町村が現地調査で、「家屋とみなす倉庫」って、もう誰が見ても「テント倉庫」の「テント」という言葉がかすむレベルにガッツリな感じ??。

 

テント倉庫め!面白い!

 

 

そういえば、日高市の償却資産手引きには、「償却資産の主な種類について・・構築物・・・土地に定着した土木設備・・・テント倉庫・・・平成29年1月2日以降に取得されたテント倉庫につきましては、家屋として課税になる場合があり」と明記。
なぜに、平成29年からなんだろう??でも、きちんと「家屋として課税になる場合があり」と記載しているからいいですよねえ。
「テント倉庫(家屋評価されたものは除く)」旨の記載が無い市町村は明記すべきと思います。

 

あ、「テント倉庫」の「テント」に惑わされて、体育祭テント並みのものしか思い起こせないのでは、「昭和かっ?」とつっこまれます

テント倉庫の表題登記論っぽく

「テント倉庫は登記できますか?」ではなく、「あなたにとってそのテント倉庫を登記する必要はありますか??」の問題なんですねー
登記をしなければならないその理由を聴く方が解決早いのではー
「別に理由はないんですけどーネットで・・・」とかいう質問にはお応えできないでしょうし。

 

 

少し真面目に・・・「建物認定基準」で遊んでみます
登記できる「建物」として認められるためには、①外気分断性 ②定着性(固着性・永続性) ③用途性 ④取引性(△)の観点から検討。

 

いくら固定されたテント倉庫でも、二方向開きっぱなしでは登記無理ですよねえーそもそもこれを登記したい?と思う人はいないので論外

 

「飯場建物(作業員宿舎)」の判決(東京地判昭47.12.17)は面白いですねー工事終了後には解体される予定で解体が容易なプレハブ住宅でも、結論としては不動産と認めて登記は可能としながら、性質上取引の対象とはしないから登記までもしないのが通常・・・とかなんとか・

 

モデルハウスだって、一定期間後に取壊しが予定されているものは永続性が無いからダメだとか

 

そもそも、ガッツリと基礎工事した頑丈なもので誰が見ても登記する建物に見えても、「登記できますか」ではなくて、「どうして登記をしたいんですか」の問題でもあるんですね

 

その点、登記情報501号70pの「不動産表示登記詳論(各論19回)の記事がとても面白いです。

 

キャンピンカーの登記論が記載されているんですけれど、「居宅」として利用するためにキャンピングカーをコンクリ基礎の土台にボルトで定着させた場合に、登記できるか?登記申請して却下されるかどうかが、申請者の土地への固定意図にかかっています。申請者がその土地でずっと住む意思なら「建物」として登記せざるを得ない、でも、「あくまでも一時利用する意思でキャンピングカーをコンクリート基礎の上に定着させたのであるならば・・・取引の客体として登記簿に公示する値打ちのない物件であり、いうならば仮設建築物にほかならない・・・建物と認めることができない」とあります。この「公示する値打ちのない物件」の部分、意味深いですねー災害用のテント倉庫はどんなにガッツリ作ってもこれに近いですね。

 

まあ、こちらの記事は古いので実務には変化があると思うのですが・・この記事の後半で「耐久年数が5年程度となると、建物としてこれをとらえることは無理なのでは」「10年、20年はシートさえ張り替えればいつでも新築当時のものと同じ状態だという意味での永続性というのもありうるのでは」など、登記官の座談会の発言も記載されているんですが、土地家屋調査士さんの表示登記は奥が深いんですねえ

 

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