相続分

頻繁に耳にするけれど、実は多義性がありとても神経を使う言葉の一つ、「相続分」について記載しています。千葉 こみや司法書士事務所 小宮愛子

「相続分」
よく耳にしますが、色んな意味をもって使用される、とても難しい言葉の一つです。


例えば、民法上


899条
「各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。」


903条
「共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。」


905条
「共同相続人の一人が遺産の分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは、他の共同相続人は、その価額及び費用を償還して、その相続分を譲り受けることができる。」


この三つの「相続分」は、それぞれ意味が違います。


899条では、相続財産総体に対する各相続人の割合です。指定相続分・法定相続分をいいます。


903条では、各相続人が取得すべき実際の相続(積極)財産の価格・割合です。具体的相続分といいます。


905条では、遺産分割までの間の相続財産に対する権利・地位です。


さらに・・・
相続(積極)財産総額×相続分(899条)=抽象的価格、これもまた「相続分」と表現します。


さらに、さらに・・・
(相続(積極)財産総額-債務総額)/相続分(899条)=特定人のプラマイ感覚、
これを意味するつもりで、「○○の具体的相続分は○○万円だ」というコトバを使用する方もいて・・・・
遺留分計算等で使用する「具体的相続分」という言葉と混乱し、


これが資格のある方との会話になると、いちいち定義を確認すべく話を中断するのも気が引けてしまって、


ウギャーっとなってしまうことがあります


このように、「相続分」は、とーっても奥の深い言葉なのです。

千葉 こみや司法書士事務所 小宮愛子